先日、作家の重松清さんの講演会を聴きに行きました。

重松さんは「普通」って何なんだ?「普通」「標準」というものは
各人によって異なるので、「正解」はない、ということをテーマにした
作品を多く世に送り出しています。


その中で、昭和30年代に流行った「標準世帯」という言葉が
紹介されました。

「標準世帯」の条件とは、
・夫婦と子ども2人(DINKS、または1人っ子は「標準」ではない)
・夫婦のうち、どちらか1人が生計をたてている。
 片方は専業主婦あるいはパート(共働きは「標準」ではない)
・子ども2人のうち、学校に通える年代の子どもは
 学生の身分でなければならない。(浪人生は「標準」ではない)
・家族全員健常者でなければならない(「障がい者」がいれば「標準」ではない)

会場には500名近い聴衆がいたのですが、重松さんが
「この条件に当てはまる人」と言って手を挙げたのは、1割もいませんでした・・・

ちなみに我が家も、1人っ子、共働き世帯のため、「標準世帯」ではありません。


そういえば、年金受給世帯のモデルケースも、
夫は40年間ずっと第2号被保険者(=つまり、サラリーマン)、
妻は40年間ずっと第3号被保険者(=つまり、夫に扶養される専業主婦)
を想定してるんですよね。

それが「標準」「普通」として設定されてるわけですが、実際にそのケースに
当てはまる世帯はほんの一握りです。


何か新しいことを始めようとするとき、決まって聞かれるこのセリフ。
『だって、普通はそんなことしないでしょう』とか、
『一般的にはあまり聞かないよね』とか、
それは、その発言者にとっての「普通」なのであって
始める人にとっての「正解」ではないのです。


では、周囲の意見を無視して自分の意見だけに固執して
突っ走ってうまくいくか、というとそうでもありません。
そこは、メンター(指導者)、ロールモデルとなる人を自分自身で見つけて、
誰の意見を受け入れるのか、を自分で決めないといけないですね。


私の基準は、「自分がやろうとしていることの先駆者であって、
かつ実績を出している人」です。

実績、とは成功に限らず、失敗の実績も、本人が話してくれるのであれば
とても勉強になります。
なぜうまくいかなかったのか、本人のやり方か、
時代や世の中のニーズと合ってないだけなのか、
時期をずらせばうまくいくのか、失敗の原因を自分なりに分析して、
別のやり方でやってみると、また違った結果が得られます。
まさに、トライ&エラーの繰り返しですね。


実際にやってみる前に、頭の中で何度もシミュレーションして、
成功イメージを高めることもとても有効だと思います。
「自分には絶対にできる」「自分ができなきゃ誰ができる(=誰もできない)」
と繰り返し暗示をかけて、自信満々で飛び込むと、
意外とすんなりできちゃったりすることって、よくあります。

自分自身振り返ってみると、
中国語:1年間の語学留学、社労士受験:ビデオ通学4ヶ月半、
AFP:通信教育半年、である程度身につけることができた一番の要因は、
この「暗示」だったと確信しています。


私は何かをやろうと思い立ったら、いつもこの5箇条を心に刻んで行動します。
1.  自分を信じる
2.  自信を持つ
3. 仲間を見つける
4. メンターに指示を仰ぐ
5. とにかく続ける


今、私が最もやりたいのは、ライフプラン&キャッシュフローを
もっと身近なものとして、誰もが簡単に使いこなせるようにしたい、
ということです。
(AFPの必須研修で、何十年分も数字がバ~ッと並んでいる、
目がチカチカするようなアレです)


人はなぜ不安になるのか?
それは分からないから、知らないから、情報がないから、だと思うのです。

お金の面から一生を俯瞰してみることができれば、
貯蓄、住居、教育、民間保険、健康保険、年金、税金、etc・・・と
様々な角度から検討することができ、一人ひとりの理解が高まれば、
国民年金保険料の納付率UP、医療費の削減、投票率のUP、
生活保護受給者や自殺者の減少などなど、社会が抱える様々な問題解決へ
つなげることも不可能ではないのでは、と思うのです。

社会を変えるなんて大それたことを考えなくても、
私たち1人1人の行動を変えることで、
やがては大きな波となって普及し、
その結果、今ある常識が覆る。

適切に情報を開示して、誰でも理解できるように、
分かりやすく使いやすいシステムを作る。
誰でも基本が理解できるベースを作って、
専門家としての知識を磨きながら、常に情報を更新し続ける。


・・・言うは易し、行うは難し。でも、やってみなければ可能性はゼロです。

未来を予測することは難しいけれど、偉大なる先人の言葉を想って
とにかく続けることを当面の目標とします。



「未来を予測する最善の方法は、自らそれを創り出すこと」アラン・ケイ